船橋市に存在した達人!努力と年月が磨いた腕と包丁!「中華料理 永楽』(前原駅/船橋市前原東)
いやぁ~お腹が空いていたのですよ・・あの時(いつも)は・・・。今回はちょっと意味あり気な冒頭で始める自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。そんな日にたまたま出会ったお店・・・そこには達人がいたのです。そんな出会いを誰かに伝えたくて、「さくらぶ」のエリアから少し離れた船橋市のお店を紹介しちゃいます。
場所(永楽/船橋市前原東)
そのお店は新京成電鉄の前原駅から約700M程の所にある閑静な住宅街の中にあります。余談ですが、何故か町中華には「楽」と言う文字を使う事が多いですね。
お店の外に貼られたメニューの写真からも、かなりのメニューの数と言う事・技術的に高いという事が分かります。これは入る前から期待マッスルですね・・・(お腹すいてテンション低め)。
お店に入る前から色々と高いスペックと独自の世界感を感じさせますが・・・・・・兎にも角にもお店に入ってお話を聞かない事には始まりませんね。
店内・メニュー(永楽/船橋市前原東)
店内はTHE町中華とも言える雰囲気で、居心地の良さを感じます。カウンター8席に加えて、宴会用(30名程座れるらしい・・)の広い座敷も奥にあります。
宴会用の座敷があるだけにメニューの数も多いですね。今回も悩みますが、やはり中華料理店だけに「炒め技術」に期待して「タンメン」を注文しました。
「麺類は”タンメン”・”モヤシソバ”が出るね~。じゃあ両方作ろうか!!体大きいから食べられるでしょ??」と店主の髙橋さんは気さくに話します。
・・・って言うか・・・
タンメンとモヤシソバ安っ!!!!!!
値段に驚いていると、「注文待っている間に暇だから野菜切ってたよ」と髙橋さん。
見ると・・・・・
これは飾り切り・・・・・しかも速いですね。これは凄い予感がしますね・・・。
「じゃあ調理に入るよ」と髙橋さんはゆっくり厨房に向かいます。
調理(永楽/船橋市前原東)
店主の髙橋さんにお願いして調理を見学させてもらいました。
「スープは鶏ガラ・豚ガラ・昆布・ニンニク・生姜・長葱を2時間程煮込んで作るんだ。一回沸騰してから置いておくことで清湯スープに仕上がって、醤油のカエシは醤油と塩と調味料を合わせているんだよ。あとは、メニューにも書いてあるけど、メニューは全て薬膳を使っているんだ・・体に良いからね」と髙橋さん。
まずはタンメンを調理して頂きました。
実食(永楽/船橋市前原東)
丼から立つ湯気からは香ばしい香りが・・・・。
こ・・・これは・・・・・・
一連の調理を見ていたせいもありますが、炒めた野菜の旨味と香ばしい香りがギュギュギュっと詰まったタンメンを目の前に興奮状態!!
スープはオイリーで、動物系と昆布の旨味が効いてますね。炒めた野菜の香ばしさがしっかりと詰まっていて、「これぞタンメン!」と言いたくなる様な出来です。野菜を沢山乗せたラーメンをタンメンと思っている方が多いかと思いますが、美味しいタンメンは炒めた野菜の旨味がスープに溶け出しています。そう言う意味では美味しいタンメンの見本の様な作りですね。
「これは美味しいですねぇ~!!!」薬膳を入れていると言われましたが、どちらかと言うとジャンクな味の構成で・・・町中華の王道を走るスープです。
麺は最近、使用しているお店を多く見る山田食品のウェーブがかった中程度の太さの物。加水率がやや高く、癖のないツルツル感が魅力ですね。茹で加減は若干柔らかめですが、この茹で加減が野菜やスープとの一体感を増しています。
具はタンメンらしく、野菜類・ニンニク・キクラゲ・バラ肉に加えて・・・このお店のオリジナルであるザーサイが入ります。
どの野菜もシャキシャキ感があり、炒めた野菜特有の旨味がありますね。ニンニクやキクラゲが存在感あり、特にキクラゲは箸休めとしての役割を果たしています。
特筆すべきはザーサイの存在。時折、ザーサイが口に入ると独特な酸味が口の中に広がります。これがアクセントになり、オイリーな口の中をリセットしてくれますね。麺・スープ・野菜がリズム良く口に入り、気づくと丼の底が見えてしまいます。
いや~ワンコインとは到底思えない完成度の高いタンメンですね。もちろん汁完しました!!
はっきり言って・・・・・・どれを食べても極上ですね!!!個人的には「エビチャーハン」と「タンメン」又は「モヤシソバ」の組み合わせがお気に入りです。
お店のこと(永楽/船橋市前原東)
店主の髙橋さんにお話を伺いました。
髙橋さんは千葉県佐原市出身で、学生卒業後すぐに飲食の世界に修行に出たそうです。
「実は、私の兄弟や親族は学者や学校の先生ばかりなんだよ・・でも、子供の頃から料理好きで飲食をやりたかったんだよな。あの頃は貧しい時代でね・・・物が食べられない時代だった影響もあるかな。」伺うと、高橋さんのお兄さんは国立大の教授だったとか。でも、そんな一族の中で飲食の世界に入る事に反対はなかったのですか??
「いいや、あの頃は長男でないと自分の事は自分でやらないといけない時代だったからね。家を継がないと人の2~3倍働かないとやっていけないから、努力はしたよ。」
こうして、料理人を志すために10代のうちに佐原を出て東京都内に向かったそうです。しかし・・・単身で佐原から東京に出て心細くなかったのですか?
「東京に向かうに当たっては兄の大学の寮に寝泊まりして、修行先を探したよ。」笑いながら髙橋さんは言います。
「それで、修行先として自由が丘の”永楽(現在は閉店)”ってお店で小僧をやったんだ。」
なんで自由が丘の「永楽」を選んだのですか???
「実は飛び込みなんだよ(笑)。でも、教えてくれた先生(永楽の店主)が良かったんだろうね。永楽では色々な技術を教わったよ。」
たしかに、あの飾り切りはただものではないですね。実は、現在のメニューも店名も当時の「永楽」の影響を強く受けているそうです。
「4年程”永楽”で修行した後に、自由が丘の閉店した魚屋を利用してしてスーパーマーケットを立ち上げたんだ。」と髙橋さんは言います。
でも、何故中華からスーパーを??と伺うと・・。「元々経営に興味あった事もあるけど、近所にね・・福田康夫(元総理大臣)さんがいたんだよ。それで、福田さんから”人の出来ない事をやれ”って言われたのがきっかけ。だから、スーパーをやりながら大きなところに捌いた魚の食材を卸す仕事をしたんだ。」・・まさか、きっかけが元総理大臣の福田康夫氏とは・・・。意外な名前には驚きを隠せません。
「その後はバブル弾けて船橋に来て、ストアを経営・・それで、ストアの時代じゃないって思ったから・・20年ほど前に中華を復活させたんだよ。名前は修行先にちなんで”永楽”(笑)」回りまわって、修行時代の中華に戻ってきたのですね。
「そこでも”人の出来ない事”をやろうと思って”薬膳”。体に良い物を使うのは良い事だから、研究したよ。それに、年末はマグロの解体ショーもやってるんだ。近所の人達に安くて美味しいマグロを食べて貰いたいしね。」笑いながら話す髙橋さんを見ていて、「人の出来ない事」は髙橋さんの「探求心」と「努力」なのだろうと思いました。今では多くの常連さんに愛されるお店になっています。
マッスルコメント
永楽の極上の1杯を食べて、イチバも自分磨きにスクワットマッスル!!!
店名 中華料理 永楽
営業時間 11:30~21:00
定休日 金曜日・第3木曜日
支払い 現金のみ
電話 047-478-4735
住所 千葉県船橋市前原東5-33-18
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
※飲食時、写真を撮影する時のみマスクを外しています